遺産相続においては、
@遺産の調査、A相続人の調査、B相続人間の協議、C「遺産分割協議書※」の作成、D遺産分割の実施の順で手続きが行われていきますが、行政書士はそのうちで「遺産分割協議書」の作成とともに、それに向けた諸手続きを一貫してお引き受けいたします。(代行)
※遺産の調査と相続人の確定後に相続人間で行われた遺産分割協議で取り決めた内容を書面にしたもの。
相続ってどうすればいいのかわからない。
まず第一に遺言書があるかないかが重要となってきます。
遺言書がある場合は、公正証書遺言であればそのままの状態で有効となり、
自筆証書遺書であれば家庭裁判所に持って行かなければ有効となりません。
遺言書がない場合は、相続人間で遺産分割協議を行う必要があります。詳しくはこちらよりお問い合わせください。
亡き父の土地名義変更を行っていないが、どのように手続きをすればいいのかわからない。
時間が経過していても、変更手続き自体は可能です。
遺言書がなければ相続人間で遺産分割協議を行い相続人を決定します。
借金を相続することになり、どうすればいいのかわからない。
自分の相続財産より借金が多い場合、家庭裁判所に登記する必要があります。
借金が相続財産より多いか少ないかがわからない場合は、限定承認の申し立てを行います。
期限は相続人であると知った時点より3ヶ月以内とされています。
信子さんの父親、次郎さんは150坪の土地と一億円を遺して亡くなりました。 相続人は、信子さんと妹の2人のはずでしたが、調べてみると、次郎さんには前妻との間に子がいたことが分かり、思わぬ事態に発展しました。
戸籍謄本を調べると意外な事実が。
信子さんの父親、次郎さんが残した財産は150坪の土地約一億円と現金、株券などの金融資産約一億円。母親は先に他界し、相続人は信子さんと妹の2人です。 遺言書はありませんでしたが、生前、次郎さんは「俺が死んだら、財産はお前達で仲良く分けろ」と言っていたので、信子さんたちは当然そうなるものと思っていました。
ところが、信子さんが相続人の確認のために、次郎さんの戸籍謄本を取ったところ、意外な事実が発覚しました。実は次郎さんには信子さんたちの母親の前に結婚していた先妻がいて、そちらに2人の子がいることが分かったのです。 つまり、異母兄弟がいたわけです。
信子さんたちにとってはまったく寝耳に水の話でしたが、そちらの兄弟も次郎さんの実子。どちらも第一順位の法定相続人であることには変わりありません。
正直に父親が亡くなったことを連絡し、話し合いの結果、150坪の土地は異母兄弟、現金と株券は信子さん姉妹が相続することになりました。
異母兄弟でも相続する権利があります。できれば、相続人の確認は、被相続人の生前に行っておきたいところです。
先ごろ夫に先立たれた正子さん。高橋さん夫婦には子がいないため、法定相続人は妻の正子さんと夫の兄弟たち。その中には正子さんが暮らす家屋敷を「分割しろ」と言い出す人も出てきて、困ったことになりました。
夫の兄弟の一人から遺産分割の要求が。
一年前に夫に先立たれた正子さんは相続でたいへん苦労しました。高橋さん夫婦には子がいません。また夫の両親も、すでに鬼籍に入っています。被相続人に子も両親もいない場合、被相続人の配偶者および兄弟姉妹が法定相続人となります。
さらに兄弟姉妹が死亡しているときは、その子、つまり甥と姪が相続人となります。
正子さんの夫は6人兄弟の長男。5人の弟妹のうち1人は既に他界していますが、子が3人います。したがって法定相続人は正子さんを含めて8人(妻の正子さん、弟妹4人、甥、姪3人)となります。
夫が残した財産は、夫婦が暮らしてきた家屋敷(時価6000万円)と預貯金2000万円。どちらもこれから正子さんがこれをすべて相続するためにはなくてはならない財産です。
正子さんがこれらをすべて相続するためには、他の相続人に相続放棄をしてもらわなければなりません。
ほとんどの相続人は「放棄してもよい」と言ってくれましたが、1人だけどうしても首を縦に振らない義弟がいました。「家の敷地は親から譲り受けたもの。俺たちにも権利があるはずだ」と言うのです。他の相続人も「あいつに払うなら、うちも相続放棄しない」と言ってきます。正子さんは頭を抱えていました。
子がいない夫婦の場合、夫の兄弟姉妹にも相続する権利はあります。もめない相続にするためにも、遺言書を作成しておきましょう。
父親の葬儀費用を払うために父親名義の預金を引き出した哲夫さん。その後、相続財産より負債のほうが多いことが分かって相続放棄を考えましたが、被相続人の財産を使ってしまったため、相続放棄ができない事態になってしまいました。
葬儀が終わったあとで債務超過が判明。
先日、父親を亡くした哲夫さん。父親は会社経営で、交友関係も広かっただけに葬儀は豪華なものとなりました。葬儀費用は香典だけでは払いきれないと思い、父親名義の定期預金を解約して支払いました。
後日、相続の手続をするために父親の財産を調べていくと、かなりの負債を抱えていたことが判明。不動産は多くが借入金の担保に入っており、昨今の地価下落で大幅に担保割れしているものも少なくありません。集計すると、財産1億円に対し、負債の合計額は1億2千万円あり、2千万円もの債務超過でした。
「相続放棄したほうがよい」と考えた哲夫さんは、つきあいのある税理士に相談してみました。ところがその税理士、哲夫さんの意に反して「放棄は難しいですね」と言うのです。
その理由は、「被相続人の相続財産に手をつけてしまったから」でした。
相続放棄や限定承認を行う可能性があるときは、被相続人の相続財産に手をつけてはいけません。
智恵さんの父親の葬儀に際して集まった香典のうち、「自分の関係者からもらったものは自分が欲しい」と弟が言い出したことから、姉弟間のトラブルに発展。いったい香典はどのように扱うのがよいのでしょうか。また、弟の言い分は認められるものなのでしょうか。
自分の関係者からの香典は自分のもの?
最近、父親を亡くした智恵さん。母親は先に他界していたため、葬儀は長女の智恵さんが喪主を務めました。
生前、父親が複数の企業の役員を務めていた関係で多数の弔問客があり、香典もたくさん集まりました。「俺の葬儀はあまり派手にするな」という父親の遺言にしたがって控えめな葬儀にしたので、葬儀や戒名の費用、香典返しの費用を払っても余りが出そうです。
そんなこともあってか、葬儀が終わったあと智恵さんの弟が、「自分の関係者から来た香典を渡してくれないか」と言ってきました。
弟は小さいながらも自分で会社を経営しており、取引先など少なからぬ数の関係者が弔問に訪れました。
その香典額を合計すれば、100万円近くになりそうです。
弟は最近、家を新築したためになにかと物入りで、お金が欲しいのも分からなくはありません。
しかし、今後も初七日、四十九日の法要を行わなければなりませんし、墓地の維持管理の費用、お寺へのお布施などいろいろお金がかかりますから、智恵さんとしては香典が余ったからといって簡単に渡すわけにもいきません。
また智恵さん自身、香典は故人に対して贈られるものと思っていました。
もしそうだとすれば、葬儀費用を払った残りは相続財産に含まれることになり、遺産分割の前に遺族が勝手に処分するのはいけないのではないかという気がしています。いったい香典は誰のものでしょうか?
香典は遺族全員に対する贈与。供養を終えるまでは全額を喪主が管理して、葬儀等の費用に充当するのが適当でしょう。